環境に優しい掃除・洗濯方法:SDGs12につながる日々の実践
毎日の掃除・洗濯がSDGs12とつながる理由
私たちの日常生活に欠かせない掃除や洗濯は、実は地球環境や資源の利用に深く関わっています。洗剤や柔軟剤といった製品の選び方や使い方、使用する水の量、エネルギー消費、そして排水が環境に与える影響など、意識すべき点は多岐にわたります。
SDGs目標12「つくる責任、つかう責任」は、持続可能な消費と生産のパターンを確保することを目指しています。日々の掃除や洗濯において、環境への負荷を減らし、資源を大切に「つかう」ことは、まさにこの目標達成に向けた具体的なアクションと言えます。
ここでは、家庭での掃除や洗濯を見直し、環境に優しく、持続可能な社会づくりに貢献するためのヒントをいくつかご紹介します。無理なく、今日から始められるアイデアを中心にまとめてみました。
掃除・洗濯が環境に与える影響
掃除や洗濯の過程で生じる主な環境負荷には、以下のようなものがあります。
- 水の消費: 洗濯や掃除には大量の水を使用します。特に洗濯機は一度に多くの水を使うため、節水は重要な課題です。
- エネルギー消費: 洗濯機の運転や乾燥、お湯を使う際の給湯など、エネルギーを消費します。
- 排水: 洗剤や柔軟剤に含まれる化学物質が排水として河川や海に流れ出し、水質汚染の原因となることがあります。特に、分解されにくい成分や界面活性剤などが問題視されています。
- プラスチック: 洗剤や掃除用品の容器、使い捨ての掃除シートなど、プラスチックごみが発生します。
- 製品の製造過程: 洗剤や掃除用品が製造される過程でも、エネルギーや資源が消費され、環境負荷が生じます。
これらの影響を理解することで、日々の行動を見直すきっかけが生まれます。
今日からできる!環境に優しい掃除・洗濯の具体的なヒント
1. 洗剤の選び方を見直す
環境負荷の少ない洗剤を選ぶことが第一歩です。
- 環境配慮型洗剤を選ぶ: 生分解性の高い成分を使用しているもの、植物由来成分のもの、石けん系洗剤などを選びましょう。「エコマーク」や「環境ラベル」などが付いている製品も参考になります。
- 洗剤の濃度・成分を確認する: 必要な洗浄力に対して、濃度が高すぎないか、不要な化学物質(蛍光増白剤、着色料、香料など)が多く含まれていないかを確認しましょう。
- 詰め替え用を選ぶ: 容器のプラスチックごみを減らすために、積極的に詰め替え用を選びましょう。
2. 洗剤の「つかい方」を工夫する
- 適量を守る: 洗剤を多く入れすぎても洗浄力が劇的に上がるわけではなく、すすぎに余計な水と時間がかかり、環境負荷が増加します。製品に表示されている使用量を正確に守ることが大切です。
- 予洗い・つけ置きを活用する: 汚れがひどいものは、あらかじめ手で軽く洗ったり、つけ置きしたりすることで、洗濯機での洗剤使用量や運転時間を減らせる場合があります。
- 洗剤を使わない方法を試す: 軽い汚れであれば、重曹やセスキ炭酸ソーダといった、より環境負荷の少ない素材を使った掃除や洗濯(つけ置きなど)も検討できます。これらは自然由来の成分で、比較的安全性が高いとされています。
3. 洗濯機の賢いつかい方
- まとめ洗いをする: 洗濯物はまとめて洗うことで、洗濯回数を減らし、水とエネルギーの消費を抑えることができます。ただし、詰め込みすぎると洗浄力が落ちるため、適切な量を心がけてください。
- 節水・節電モードを活用する: 最新の洗濯機には、水や電気の使用量を抑える運転モードが搭載されています。積極的に活用しましょう。
- 適切な水温を選ぶ: 洗濯物の種類や汚れ具合に合わせて水温を調整しましょう。一般的に、水温が高いほど洗浄力は上がりますが、その分エネルギーを消費します。必要以上に高温で洗うのを避けることも大切です。
- 乾燥機の利用を減らす: 衣類乾燥機は多くのエネルギーを消費します。可能な限り天日干しを利用しましょう。室内干しの場合も、扇風機などを活用して乾燥効率を高める工夫ができます。
4. 掃除方法と道具の選び方
- 使い捨て製品を減らす: 使い捨ての掃除シートやモップなどを減らし、洗って繰り返し使える布巾やモップを活用しましょう。
- 自然素材の道具を選ぶ: ブラシやほうきなど、プラスチック製ではなく、木や竹、植物繊維などの自然素材を使った道具は、廃棄する際も環境負荷が比較的少ないとされています。
- 水拭き・乾拭きを基本にする: 軽い汚れであれば、洗剤を使わずに水拭きや乾拭きで十分な場合があります。
- 道具の手入れをしっかり行う: 掃除道具を定期的にお手入れすることで、長持ちさせることができます。これも資源の節約につながります。
実践の効果と継続のヒント
これらの小さな工夫を一つ一つ実践することで、家庭から排出される化学物質やプラスチックごみの量を減らし、水やエネルギーの消費を抑えることができます。これは、私たち自身の生活環境をより良くするだけでなく、地球全体の環境負荷を減らし、未来の世代が持続可能な暮らしを送れるように貢献することにつながります。
最初から全てを完璧に行う必要はありません。まずは、今日の洗濯から洗剤の量を計ってみる、掃除に使い捨てのシートではなく布巾を使ってみるなど、一つできることから始めてみましょう。慣れてきたら、少しずつ新しい習慣を取り入れていくことができます。
まとめ
毎日の掃除や洗濯は、単なる家事ではなく、SDGs12の達成に貢献できる大切な機会です。洗剤や道具の選び方、そしてつかい方を少し工夫するだけで、環境への負荷を減らし、資源を大切にすることができます。
今日からでも実践できることはたくさんあります。これらのヒントを参考に、ご自身のライフスタイルに合わせた持続可能な掃除・洗濯の方法を見つけて、日々の暮らしの中で「つかう責任」を果たしていきましょう。小さな一歩が、より良い未来へとつながっていきます。