毎日のつかい方から変わる:環境と社会に優しい日用品の選び方
日常の選択が未来を変える:日用品とSDGs12
私たちの日常生活に欠かせない日用品。洗剤、シャンプー、化粧品、文房具など、当たり前のように使っているこれらのアイテムを選ぶ際、少し立ち止まって考えてみることで、SDGsの目標12「つくる責任、つかう責任」に貢献できる可能性があります。
SDGs12は、持続可能な消費と生産のパターンを確保することを目指しています。これは、単にモノを大切に使うだけでなく、モノがどのように作られ、どのような影響を環境や社会に与えるかを知り、責任ある選択をすることを含みます。日用品は、私たちの生活に密接に関わる一方で、その製造過程や廃棄が環境に負荷をかけたり、サプライチェーンにおいて社会的な課題を抱えている場合もあります。
この記事では、日々の暮らしの中で無理なく実践できる、環境と社会に配慮した日用品の選び方について具体的なヒントをご紹介します。
なぜ日用品の選び方が重要なのか
私たちが選ぶ一つ一つの日用品は、小さな選択のように見えても、その背後には大きなサプライチェーンが存在し、地球上の資源や人々に影響を与えています。
例えば、洗剤に含まれる化学物質が排水を通じて河川や海を汚染する可能性、プラスチック製の容器が廃棄後にマイクロプラスチックとなって環境中に蓄積される問題、あるいは製品の原料生産において労働者の権利が十分に守られていない可能性などが考えられます。
責任ある日用品選びは、これらの潜在的な問題に対する私たちの「つかう責任」の表明であり、環境負荷の低減や公正な社会の実現に繋がる「つくる責任」を果たす企業を応援することにも繋がります。
環境と社会に優しい日用品を選ぶためのヒント
では、具体的にどのような点に注意して日用品を選べば良いのでしょうか。いくつか実践しやすいヒントをご紹介します。
1. 成分を確認する
洗剤や化粧品を選ぶ際は、含まれている成分に注目してみましょう。
- 自然由来の成分や生分解性の高い成分を選びましょう。生分解性とは、微生物によって分解され、最終的に水や二酸化炭素などの無機物に変わる性質のことです。生分解性の高い製品は、使用後の排水による環境負荷を低減できます。
- 環境負荷の高い化学物質(例: 特定の界面活性剤、マイクロビーズなど)を避ける表示があるか確認しましょう。
2. パッケージに注目する
製品を包むパッケージは、使用後にごみとなります。パッケージの素材や形状も重要な選択基準です。
- プラスチックの使用量が少ない製品や、紙やガラスなどリサイクルしやすい、またはリサイクル素材を使ったパッケージを選びましょう。
- 詰め替え可能な製品を積極的に利用しましょう。本体容器を繰り返し使うことで、プラスチックごみの削減に大きく貢献できます。最近では、大容量の詰め替えパックや、量り売りをしているお店も見られます。
- パッケージフリー(裸売り)の石鹸やシャンプーバーなども選択肢の一つです。
3. 生産背景や企業の姿勢を知る
製品がどこで、どのように作られているか、企業がどのような考えで事業を行っているかを知ることも大切です。
- フェアトレード認証が付いた製品は、開発途上国の生産者や労働者に公正な対価が支払われていることを示しています。コーヒーやチョコレートだけでなく、石鹸の原料などにもフェアトレード認証がある場合があります。
- 企業のウェブサイトやパンフレットで、環境問題や社会問題への取り組みについて情報を集めてみましょう。持続可能な調達、動物実験の廃止、地域社会への貢献などを積極的に行っている企業を応援する選び方です。
4. 長く使えるか、多目的に使えるかを考える
モノを使い捨てるのではなく、長く大切に使うことは、資源の消費を抑え、ごみを減らすことに繋がります。
- 高品質で修理可能な製品を選び、必要であれば修理しながら長く使いましょう。
- 様々な用途に使える洗剤など、持っているモノの数を減らせるアイテムを選ぶことも、資源の節約になります。
5. 本当に必要か立ち止まって考える
最も根本的な「つかう責任」は、「本当にそれが必要か?」と自問することから始まります。
- 流行に流されず、自分の暮らしに必要なモノだけを選び取ることで、無駄な生産や消費を減らすことができます。
- お試しサイズや少量から始めてみるのも良い方法です。
小さな一歩が大きな変化に繋がる
環境や社会に配慮した日用品を選ぶことは、難しく考える必要はありません。まずは成分表示を見てみたり、詰め替え用を選んでみたり、一つか二つの製品から意識して変えてみることから始められます。
あなたの小さな選択が積み重なることで、環境への負荷を減らし、より公正な社会を作ることに繋がります。また、そのような製品を選ぶ消費者が増えれば、企業も環境や社会に配慮した製品づくりを一層進めるようになります。
まとめ
日用品は私たちの生活の一部であり、その選び方を見直すことは、SDGs12「つかう責任、つくる責任」を果たすための身近で有効なアクションです。
- 成分やパッケージに注目する
- 生産背景や企業の取り組みを調べる
- 長く使えるか、多目的に使えるか考える
- 本当に必要か自問する
これらのヒントを参考に、今日からできることを見つけてみてください。毎日の何気ないつかい方が、未来の地球と社会にとってより良い方向へと変わっていくはずです。