オフィスで実践!働く場所での「つかう責任・つくる責任」ヒント
オフィスで実践!働く場所での「つかう責任・つくる責任」ヒント
私たちは一日の多くの時間を職場で過ごしています。家庭での暮らしだけでなく、働く場所であるオフィスや職場で「つかう責任」「つくる責任」を意識した行動を取り入れることは、持続可能な社会の実現に向けて非常に重要です。
SDGs目標12「つくる責任 つかう責任」は、持続可能な消費と生産のパターンを確保することを目指しています。これは、私たちが何を、どのように消費し、その消費が環境や社会にどのような影響を与えているのかを理解し、責任ある選択をすることです。オフィスにおいても、備品やエネルギーの消費、廃棄物の発生など、様々な形で私たちの行動がSDGs12に関わっています。
「オフィスでの実践なんて、個人でできることは限られているのでは?」と感じる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、小さな心がけや行動も、積み重なれば大きな変化に繋がります。この記事では、職場で今日から簡単に始められる、具体的な行動アイデアとヒントをご紹介します。
オフィスにおける「つかう責任・つくる責任」とは?
オフィスでは、ペンやノート、コピー用紙などの文房具、パソコンやプリンター、コーヒーメーカーなどの備品、そして電気や水道といったエネルギーを日々「つかって」います。これらの製品やサービスは、どこかで「つくられて」おり、その生産過程や廃棄の段階で環境や社会に負荷をかけている可能性があります。
オフィスでの「つかう責任・つくる責任」とは、これらの消費行動において、環境負荷を最小限に抑え、人権や労働環境に配慮した製品やサービスを選ぶこと、そして使い終わったものの行方(廃棄やリサイクル)に責任を持つことを意味します。
今日からできる!オフィスでの具体的なアクションアイデア
1. 備品・消耗品の選び方
- エコラベル製品を意識する: グリーン購入法適合製品や、再生プラスチックを使用した文具、認証を受けた森林からの木材を使った紙製品など、環境負荷低減に配慮した製品を選ぶよう提案したり、自分自身が購入権限を持つ場合は優先的に選びましょう。
- 詰め替えや長く使えるものを: インクカートリッジ、洗剤、ハンドソープなどは詰め替え可能な製品を選びます。電池は充電式のものを使用するなど、使い捨てを減らす工夫をします。
- 必要なものだけ購入・利用する: 「念のため」と多く買いすぎたり、使わないまま放置してしまったりすることを避け、本当に必要なものだけを計画的に購入・利用します。
2. 紙の使用量を減らす工夫
- ペーパーレスを推進する: 会議資料はデジタル化して共有したり、書類はクラウド上で管理したりするなど、印刷の必要性を減らす努力をします。
- 印刷の工夫: 印刷が必要な場合は、裏紙の使用を徹底したり、両面印刷や集約印刷(複数ページを1枚に印刷)を活用したりします。
- 再生紙やFSC認証紙を選ぶ: 印刷用紙を選ぶ際は、古紙パルプ配合率の高い再生紙や、適切に管理された森林の木材を使用したFSC認証紙など、環境に配慮された紙を優先します。FSC認証とは、森林が環境や社会に配慮して適切に管理されていることを示す国際的な認証制度です。
3. 電力・エネルギーの節約
- こまめな消灯: 使用していない会議室や誰もいない場所の照明はこまめに消します。離席時にはモニターの電源を切る習慣をつけましょう。
- 省エネ設定の活用: パソコンやOA機器の省エネモードを活用したり、使用していない時間は主電源を切るようにします。
- 空調の適正管理: クールビズ・ウォームビズを実践し、冷暖房の設定温度を適切に保ちます。共有スペースの設定に意見を出すことも重要です。
- 再生可能エネルギーへの関心: 会社の電力契約について関心を持ち、再生可能エネルギー由来の電力プランへの切り替えが推進されるよう、部署内で話題にしたり提案したりすることも、大きな視点での貢献に繋がります。
4. オフィスでの飲食と廃棄物
- マイカップ・マイボトルの持参: 紙コップやペットボトル、プラスチックカップの使用を減らすため、自分のマグカップやタンブラーを持参します。
- コーヒー・茶葉の選択: オフィスで提供されるコーヒーや茶葉について、フェアトレード認証を受けたものや、環境負荷の少ない栽培方法で生産されたものを選ぶよう提案します。フェアトレードとは、発展途上国の生産者や労働者の労働環境を守り、公正な価格で取引することを目的とした仕組みです。
- 食品ロス削減: オフィスの共有スペースにあるお菓子や食材なども、賞味期限などを意識して計画的に消費するよう促します。
- 廃棄物の分別徹底: ゴミの分別ルールを正しく理解し、徹底して行います。特にプラスチックや紙類、資源ごみなどのリサイクル率向上に貢献します。
- シュレッダーゴミのリサイクル: シュレッダーで細かくされた紙もリサイクルできる場合があります。会社のルールを確認し、適切に処理します。
5. 移動・出張
- オンライン会議の活用: 対面での会議や出張の機会を減らし、可能な場合はオンライン会議システムを活用します。これにより、移動に伴うCO2排出量を削減できます。
- 公共交通機関や自転車の利用: 通勤や近距離の移動において、可能な範囲で公共交通機関や自転車、徒歩などを選びます。
実践のポイントと効果
オフィスでのSDGs12実践は、一人ひとりの意識と行動から始まります。まずは自分のデスク周りや、日々の業務で関わる範囲からできることを探してみましょう。そして、同僚と情報交換したり、小さな行動を共有したりすることで、職場の文化として根付かせていくことができます。
これらの行動は、環境負荷の低減に直接貢献するだけでなく、紙や電力といったコストの削減にも繋がる可能性があります。また、環境や社会に配慮する企業の姿勢は、従業員のエンゲージメントを高め、企業のイメージアップにも貢献します。自分の働き方が、より持続可能な社会づくりに繋がっていることを実感することは、仕事へのモチベーション向上にも繋がるでしょう。
まとめ
オフィスでの「つかう責任・つくる責任」の実践は、持続可能な社会の実現に向けた大切なステップです。今回ご紹介したような具体的なヒントを参考に、ぜひできることから始めてみてください。小さな意識と行動の変化が、あなたの働く場所、そして社会全体をより良い方向へ変えていく力になります。